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2006.1.2 by 山の温泉ガイド

温泉と火山ガス、硫化水素ガス

秋田県湯沢市の事故で亡くなられた方には心より御冥福をお祈り申し上げます。

硫化水素ガスによる事故の再発防止の為乏しい知識ですが記します。12月30日の第一報を聞いた時点では湯沢温泉と出ていた為、子安温泉あたりかと想像していました。その夜23時過ぎ、TBSみのもんたの朝ズバ!様より泥湯温泉の写真を使わせていただきたいとの電話が入る。快諾し事情を伺うと湯沢の事故は泥湯温泉の駐車場との事。あの駐車場は確かに湯の湧き出しがありましたが、プクプク湧く程度で、私的にはとても信じ難い思いでしたが、湯の流れが雪の空洞・窪みを作った事までは、その時点では想像できませんでした。
雪が災いしたと知り過去の経験を振り返ってみると、もしあの時、2月の中岳温泉に到達していたら危なかったかもしれません。恐山湯坂温泉近くの野湯は穴を掘った形状であり冬に限らず危険です。あの時の入湯はかなり危険な行為だったのかも。鹿児島山之城温泉(湯川、野湯)は事故が絶えず、ゲートで封鎖されました。内風呂でも事故は起きており、九州のある宿(山の温泉ガイドではまだ掲載していません。)では、十年程前御二方が亡くなられています。この宿は足元湧出ではありませんが、新鮮な濃い硫化水素泉ゆえの事故で、硫化水素泉の名湯と危険は隣り合わせなのかも。もちろんその後板壁をスリットにし換気しています。
内湯が足元湧出の硫化水素泉の温泉宿もありますが、その宿は保健所からの指導で浴槽壁に2つの穴を開け通気しています。中岳に限らず雪山の野湯、硫化水素泉は大変危険と今回の事故から教訓とさせていただき、この冬計画していた秋田焼山は雪解け以降にしようと考えています。硫化水素ガスは濃くなると匂いを感じなくなる厄介な性質があり、濃い火山ガスを吸い込むと胸に衝撃が走り、運動神経を麻痺させその場から逃げられなくなるようです。那須や白根山など各地の噴気のある窪地、殺生ヶ原は要注意です。


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